お知らせ

地震など自然災害前後の漏水状況を衛星データで検証・利活用、水道事業での新たな災害支援モデルの実証開始

―常陸大宮市にて「アステラ・リカバー」を用いた水道の維持・管理の実証―

■ 横浜ウォーターとともにリカバーを用いた災害支援モデルの実証を開始
■ 地震など自然災害の発災時に発災前後の衛星データを比較、管路の状態把握を可能に
■ 水道管路の復旧対応や修繕計画への反映、減災・復旧ノウハウの蓄積などを図る

ジャパン・トゥエンティワン株式会社(本社:愛知県豊橋市/代表取締役社長:岸本賢和、略称J21)が国内正規代理店となっているアステラ社(旧ユーティリス社、本社:イスラエル)の衛星画像データとAIを活用した水道事業者向け製品「アステラ・リカバー」が、常陸大宮市での災害支援モデルの実証に採用されました。

本実証では、常陸大宮市およびJ21と横浜ウォーター株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役:鈴木慎哉)の間で3者協定が締結されました。自然災害等の発災時に、衛星を活用して対象自治体の水道管路の状態を迅速に把握し、平常時には減災対策や職員ノウハウの蓄積等を図る新たな災害支援モデルの実証を行います。

実証においては、J21では衛星画像解析による漏水検知システム「アステラ・リカバー」を提供し、横浜ウォーター株式会社からは行政で培われた専門的なノウハウを持ちより、重要路線等の被災を想定した対応策の事前検討、被災状況の迅速な把握、対応優先順位付けの支援、復旧後の管路更新・修繕・洗浄計画等への反映、一連の活動で得られたノウハウの蓄積を図ります。実施時期は概ね1年間とし、自然災害発生時に常陸大宮市から両社へ支援要請を発出して活動を開始することとしています。

現在、水道事業体において、水道インフラの老朽化と敷設された水道管の維持管理と更新は、大きな課題となっています。水道管の法定耐用年数とされる約40年を国内の19.1%が超過※1しているとされ、水道施設の耐震化の進捗状況では、基本管路の耐震適合の状況が40.7%に留まる※2など、改善が難しい状況が続いています。一度、大きな地震が発生すれば断水や漏水は避けられず、断水被害からの復旧だけでも数ヶ月から数日かかり、今年に入ってからも3月16日に福島県沖地震が発生したことで、断水が一週間を超える自治体もありました※3。

地震などの自然災害発生時には、断水への対応など復旧に関する多くの事項がありますが、いち早く水道管路全体の状況が把握できれば、顕在化している問題だけでなく、地表下で発生している漏水など、顕在化していない問題を考慮した対処ができます。また水道の維持管理にあたっては、老朽化・耐震化対策への支出を大幅に増加できない状況において、自然災害の発生を前提として、あらかじめ災害対応の体制を整え、発生後も一連のノウハウを残すことが重要な課題となっています。

アステラの漏水検知では、半径100mでの漏水可能性エリアの特定が可能です。
地震発生後、できるだけ早い時期に同一地域を解析することで、地震発生前に比べて漏水可能性エリアがどのように変化したかがひと目で分かります。

 

今回の実証では、平常時と発災時(発災前と発災後)のデータを比較することで、より正確な災害対策を可能にし、対応すべき水道管の特定、音聴調査の効率的運用、また継続的にフォローすべきエリアの記録など、復旧計画や管路維持管理事業を策定する上での基礎データを提供し、業務効率化や事業における予算の最適化に大きく寄与します。

アステラ社(旧ユーティリス社)の衛星画像データ(衛星データ)を用いた漏水検知技術は、天候や昼夜に左右されず、広範囲を検知・調査することができ、一度に水道事業者の全管路への調査が可能なシステムです。今回の実証にて提供される水道管の漏水検知システム「アステラ・リカバー」は、2016年よりサービスが開始されており、管路上での漏水可能性がある場所を検知することで、補修・維持管理の効率化に大きな効果を発揮しています。既に世界64カ国・650件以上のプロジェクトに採用されており、水道管から失われてしまう莫大な量の飲料水の漏水節約に役立てられています。また、日本でも愛知県豊田市で採用※4され、豊田市上下水道局が日本水道協会による令和3年度の水道イノベーション賞・特別賞を受賞したことから、国内でも大きな注目を浴びています。

J21では、アステラ製品の提供・サポートを通じ、最新のテクノロジーを活用した地方自治体・水道事業体によるインフラの維持管理と更新の効率化、課題解決に寄与していきます。

※1 厚生労働省「令和3年度全国水道関係担当者会議」資料
※2 厚生労働省HP 水道施設の耐震化の推進
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/taishin/index.html
※3 内閣府 防災情報のページHP:福島県沖を震源とする地震に係る被害状況等について
https://www.bousai.go.jp/updates/r4fukushima_eq_0317/index.html
※4 J21プレスリリース「人工衛星とAIで宇宙から水道管の漏水を検知 世界で実績の技術が愛知県豊田市で国内初採用」
https://newscast.jp/news/6184035

<アステラ社(旧ユーティリス社)の水道事業体向け製品>
水道管の漏水検知システム「アステラ・リカバー」
衛星画像データの解析をもとに水道管の漏水箇所を特定し、水道管の補修・維持管理を効率化します。
水道管路の更新計画支援システム「アステラ・マスタープラン」
衛星画像データの差分解析をもとに水道管路のリスク状態を調査・分析します。優先順位付けが可能となり、リスク管理や管路更新計画の最適化が可能になります。

■アステラ(Asterra)社について
2013年に地球物理学と水文学、地形学を研究していた科学者によって設立されたユーティリス(Utilis)社が前身です。衛星の画像データを独自のアルゴリズムにより分析する水道管の漏水検知システムは、2016年から提供を開始、すでに世界64カ国・650件以上のプロジェクトに採用され、莫大な量の飲料水の漏水節約に役立てられています。衛星のLバンドマイクロ波データを活用した水道管の漏水検知や更新計画支援のためのシステムは、導入にあたって設備投資や機器の設置が不要なシステムで、これら製品は、2021年8月より、「アステラ」の社名・ブランド名で提供されることになりました。イスラエル、米国(サンディエゴ)、英国の拠点では、各分野の専門家が現行システムを継続的に改善し、革新的な新サービス・製品を市場に投入するために、研究開発に多大な投資を行っています。
URL:https://asterra.io(英語) https://asterra.japan21.co.jp(日本語:J21運営サイト)

■横浜ウォーター株式会社について
2010年に神奈川県・横浜市水道局が長い歴史の中で培われた技術やノウハウを活用して国内外の上下水道事業に貢献等を行う目的として設立された横浜市水道局100%出資の外郭団体です。外郭団体として公益的使命の達成に向けた取組を進めるとともに、株式会社として積極的なビジネス展開を行っています。自治体向けには組織力向上を図る人材育成支援、ダウンサイジング検討や濁水対策など専門性のある発注者支援、業務改革(BPR)に向けた業務量調査や改善策の提案など各種サービスを提供しています。
URL:https://yokohamawater.co.jp

■ジャパン・トゥエンティワン株式会社について
1992年9月に創業し、“イノベーションを市場化する”を掲げ、イスラエルを中心に世界最先端のハイテク企業の技術や製品のビジネス開発を日本で展開。主な取り扱い製品には、自動車の後付け衝突防止補助システム「モービルアイ」、車両の運行情報を管理・分析するフリートマネジメントシステム「イトラン」、タブレットの盗難防止製品「コンピュロックス」、プログラミング学習サービス「コードモンキー」、聴力アシスト機能付き無線イヤホン「BeHear® NOW」、衛星画像データを活用した水道インフラ管理・更新のための「アステラ製品」などがあります。
URL:https://www.japan21.co.jp/

お問い合わせ先 広報担当
ジャパン・トゥエンティワン株式会社
東京都渋谷区神宮前6-19-13 J-6ビル4F  TEL:03-6775-7450
Email:utilis@japan21.co.jp Web:https://www.japan21.co.jp/

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